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文献詳細

雑誌文献

臨床外科3巻10号

1948年10月発行

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手術前後に於ける血漿蛋白の消長に就て

著者: 砂田輝武1 鹽田辦治郞2

所属機関: 1岡山醫科大學津田外科教室附屬醫學專門部 2岡山醫科大學津田外科教室

ページ範囲:P.402 - P.407

文献概要

緒言
 蛋白質は人體成分の約20%を占め,あらゆる生活細胞の主要成分の一で人體の新陳代謝遂行に缺くべからざるものであることは周知の事實である。疾病時に於ても蛋白代謝は組織の再生,感染及び毒素に對する抵抗に直接重大な關係があり,蛋白質の缺乏は全身衰弱,創傷治癒の遷延,合併症の發生延いて豫後の悪化を招來する。殊に吾々外科醫の對象が化膿性疾患,外傷,熱傷,惡性腫瘍其の他衰弱を伴へる内臓疾患更に手術的侵襲等と多大の體蛋白消耗を招來するものであることを思へば,患者の蛋白代謝の實情をも知る事は豫後の判定治療方針決定,手術に關する問題(適應の撰定,時期の決定,術前準備並に後療法の方針)の解明の上に決定的な意義を持つものと考へられる。
 最近の研究によれば體蛋白の代謝は血漿蛋白と互に動的平衡の状態に在り,血漿蛋白の濃度は正常では體蛋白の貯藏量との間に一定の關係を保つでゐるものであるから血漿蛋白の測定によつて或る程度迄體蛋白代謝の状態が知られるのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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