文献詳細
文献概要
--------------------
ヘルニアと誤診され易い靜脈瘤の2例
著者: 小林忠1 梅村義治1
所属機関: 1慶應義塾大學醫學部外科學教室
ページ範囲:P.429 - P.431
文献購入ページに移動緒言
静脈瘤は主として表在性に起るが,稀には深部にも發生することがある。殊に股部,鼠蹊部等に生じた場合には,ヘルニアとの鑑別が必要になつて來る。吾が慶大外科教室に於ても,最近鼠蹊部に生じた子宮圓靱帶靜脈瘤を鼠蹊ヘルニアと診斷し,手術に於て初めてその誤りであることを知つた1例と,股ヘルニアとして送られて來たが,その下肢に著明な靜脈怒張を認めたので大薔薇靜脈瘤による腫瘤との豫想の下に手術して之を確め得た1例に遭遇した。後者の報告例は決して少くないが,前者は文獻にも稀なもので,此所に報告する次第である。
静脈瘤は主として表在性に起るが,稀には深部にも發生することがある。殊に股部,鼠蹊部等に生じた場合には,ヘルニアとの鑑別が必要になつて來る。吾が慶大外科教室に於ても,最近鼠蹊部に生じた子宮圓靱帶靜脈瘤を鼠蹊ヘルニアと診斷し,手術に於て初めてその誤りであることを知つた1例と,股ヘルニアとして送られて來たが,その下肢に著明な靜脈怒張を認めたので大薔薇靜脈瘤による腫瘤との豫想の下に手術して之を確め得た1例に遭遇した。後者の報告例は決して少くないが,前者は文獻にも稀なもので,此所に報告する次第である。
掲載誌情報