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文献詳細

雑誌文献

臨床外科3巻5号

1948年05月発行

文献概要

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腓骨小頭裂離骨折の1例

著者: 木村元吉1

所属機関: 1東京遞信病院整形外科

ページ範囲:P.198 - P.200

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 腓骨小頭の裂離骨折は,その折片轉位像に於て特有である。すなはち,圖に示す様に,腓骨小頭の上部折片は,恰も帽子が旋風に吹き上げられた如き形で遙か上方に轉位離隔し,X線冩眞を見ただけでは,その折片が果して何れより飛來したか,了解に苦しむ場合がある。これは當然,この部に附着する二頭股筋の收縮による縦隔轉位であるが,同時に本骨折の發生には通常腓側々副靱帶が關與してゐるものと考へられてゐる。この様な腓骨小頭裂離骨折は極めて稀に見るもので,現在までに僅か數例の報告を見るのみに過ぎない。吾々は最近當遞信病院整形外科に於て,この腓骨小頭裂離骨折の例を經驗したので,これを報告し,その成因過程につき考察を加へてみたいと思ふ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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