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文献概要
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動脈注射部血管壁の變化に就て
著者: 古川浩三1
所属機関: 1千葉醫科大學中山外科教室
ページ範囲:P.234 - P.240
文献購入ページに移動緒言
故瀬尾教授竝に現中山教授によつて創始された高張葡萄糖液を主劑とする動脈性衝撃注射療法は,特定の動脈内に衝撃的に濃厚藥物を注射することにより,藥物を比較的濃厚なまゝ疾病局所組織内に移行せしめて長時間作用させることが出來るといふ効果を有する他,局所竝に全身の貪喰細胞の賦活作用を有し,身體の抵抗力を亢め生體を治癒に赴かせるもので,使用藥物の効力を最高度に發揮させるものである。我々は之を各種疾患に適用して實際上に卓効を認めてゐる。教室では上記の利點を有するので此の療法の普及に努め,又一般もその奴果が著しいので廣く實用化されるに至つたが,此の際實施者の不安な點は動脈に注射をしても危險はないかと云ふことにあると思ふ。
私はその究明の一つとして實驗的に,家兎を使用し動脈注射部血管壁の變化を組織學的に10日間に互つて檢索追求し,併せて人體に於ける動脈注射部を剖檢の際に剔出して檢査した。
故瀬尾教授竝に現中山教授によつて創始された高張葡萄糖液を主劑とする動脈性衝撃注射療法は,特定の動脈内に衝撃的に濃厚藥物を注射することにより,藥物を比較的濃厚なまゝ疾病局所組織内に移行せしめて長時間作用させることが出來るといふ効果を有する他,局所竝に全身の貪喰細胞の賦活作用を有し,身體の抵抗力を亢め生體を治癒に赴かせるもので,使用藥物の効力を最高度に發揮させるものである。我々は之を各種疾患に適用して實際上に卓効を認めてゐる。教室では上記の利點を有するので此の療法の普及に努め,又一般もその奴果が著しいので廣く實用化されるに至つたが,此の際實施者の不安な點は動脈に注射をしても危險はないかと云ふことにあると思ふ。
私はその究明の一つとして實驗的に,家兎を使用し動脈注射部血管壁の變化を組織學的に10日間に互つて檢索追求し,併せて人體に於ける動脈注射部を剖檢の際に剔出して檢査した。
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