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文献概要
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總腸間膜に起因せる腸管軸捻轉症の1例
著者: 河合直次1 小林愿之1
所属機関: 1千葉醫科大學河合外科教室
ページ範囲:P.241 - P.243
文献購入ページに移動緒言
胎生學的に吾々は胎生期3ケ月位迄は總腸間膜の状態にあるが,其の時期の發育展開機轉に異常を來した場合生じた一種の先天性畸型の状態を總腸間膜と云ひ,小腸,結腸は共に遊離した共同腸間膜を有し結腸の後腹壁に對する固着缺損を來したものとなる。
抑々總腸間膜は1850年Bednerが乳兒屍體解剖に於て初めて發見して以來,解剖學乃至病理解剖學的に研究報告の數を増したが,本症が腸管閉塞殊に腸管軸轉の素因として重要視され,且,Altschul(1924年)が本症2例をX線檢査に依り診斷且手術により確認するに至つて,本症は臨牀家の注目を惹くに至つた。
胎生學的に吾々は胎生期3ケ月位迄は總腸間膜の状態にあるが,其の時期の發育展開機轉に異常を來した場合生じた一種の先天性畸型の状態を總腸間膜と云ひ,小腸,結腸は共に遊離した共同腸間膜を有し結腸の後腹壁に對する固着缺損を來したものとなる。
抑々總腸間膜は1850年Bednerが乳兒屍體解剖に於て初めて發見して以來,解剖學乃至病理解剖學的に研究報告の數を増したが,本症が腸管閉塞殊に腸管軸轉の素因として重要視され,且,Altschul(1924年)が本症2例をX線檢査に依り診斷且手術により確認するに至つて,本症は臨牀家の注目を惹くに至つた。
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