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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻1号

1975年01月発行

文献概要

特集 手の外科

手の新鮮外傷の初期治療

著者: 諸橋政樻1

所属機関: 1諸橋整形外科医院

ページ範囲:P.11 - P.17

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はじめに
 外傷の治療が初期治療と再建手術に大別されることは手に限つたことではない.しかし手の機能の重要性は今さら述べるまでもなく,その機能が繊細で微妙なバランスをもち,また立体知覚という大脳と直結する特殊の機能をもつていたり,一方ある時は極めて粗大な力をも出す能力をもつ,などの点で人間の生活にとつて極めて重要な位置を占めることは周知のことである.またこれらの機能に関係する各組織が,手や指という比較的小さな部分に緊密な連絡をもつて入り込んでいるという点でも特殊な部分であり,1つの組織の損傷が,幸い外傷をまぬがれた健康組織に重大な悪影響を及ぼすことも手の外傷の特徴の1つである.
 こうしたことで,とくに手の外傷について,これまで繰返し初期治療の重要性が説かれてきた.そして特に初期治療の小さな誤りは大きな機能障害を来すという点が強調されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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