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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻1号

1975年01月発行

特集 手の外科

手の外傷後変形の診断と治療

著者: 赤堀治1 高杉仁2

所属機関: 1岡山済生会病院整形外科 2岡山大学医学部整形外科

ページ範囲:P.37 - P.44

文献概要

はじめに
 手の外傷がある程度以上はげしい場合,多少の変形,障害をのこすことはやむをえないであろう.まして処置が不適切であれば障害はいちじるしく増大することも当然である.このようにして必然的に,あるいは人為的にのこされた変形,障害を治療するにあたつて,第一に考えるべきことは,いかなる機能が再建可能であるか,またいかなる機能再建が必要であるかを十分検討し,手全体としての機能を高めるため個々の症例に適した治療方針を決めることである.例えば屈筋腱損傷により手指の屈曲という重要な機能が障害されている場合,腱移植などにより屈曲力を再建することが望ましいが,医師の技術,患者の条件などがこれをゆるすか否かがまず問題となる.医師として治療に自信がなければ,いたずらな侵襲を加えることなく,専門医に送ることが望ましい.患者の側の問題として,関節拘縮や皮膚瘢痕化が高度で,腱手術の予後があまり期待できなければ,そのまま放置することも一つの解決法であるし,むしろ切断が適応となる場合も考えられる.腱が切れているからこれを縫合すればよいというのではなく,個々の症例について,年齢,職業,障害の程度などを検討し,合理的に治療方針を決めることが必要である2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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