臨床外科30巻1号

1975年01月発行

外科医のための生理学

食道運動の生理

著者： 有森正樹¹

所属機関： ¹国立東京第2病院外科

ページ範囲：P.77 - P.80

文献概要

　食道の生理は他の消化管臓器と異なり，その機能は食物の通過管としての役割りがすべてを占めるといつて良く，食道腺の分泌機能の重要性はとるにたりぬものであり，消化吸収機能はない．従つて食道の生理機能はすなわち食道の運動機能といえる．
　近代的な食道運動の解析は1883年，細い管を食道内に挿入して嚥下による食道内圧の変化を測定したKroneckerとMeltzer^1）によつて開かれたといえる．