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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻10号

1975年10月発行

外科医のための生理学

肛門の生理

著者: 隅越幸男1

所属機関: 1社会保険中央総合病院大腸肛門病センター

ページ範囲:P.1269 - P.1271

文献概要

はじめに
 肛門という言葉はまことに瞹眛であつて,はつきりした部位のきめがない.単なる出口としての肛門外口のみをさしたり,あるいはさらにある程度の奥行を含めたものを示す場合がある.すなわち一般には肛門といえば肛門管及びその外口を含めて考えて差支えないと思う.ところが肛門管と申しても歯状線dentate line以下の部分をさす学者と,肛門括約筋でかこまれた,より奥の方まで,すなわち粘膜面から見れば肛門柱の消失する高さ,いわゆるHerrmann線以下で,わかりやすく言えば指を入れて狭く感ずる部分全体をさしているものとがある.発生学的には直腸と肛門の境界はdentate lineであるので,前者を解剖学的肛門管,後者を外科的肛門管と称してもよく,臨床的には後者を用いるほうが都合がよい(付図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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