文献詳細
臨床報告
脈絡膜転移を疑われた乳癌の経験
著者: 高柳和江1 松村長生1 太田憲一1 古味信彦1 松村香代子2
所属機関: 1徳島大学医学部第1外科 2徳島大学医学部眼科
ページ範囲:P.1321 - P.1325
文献概要
乳癌の脈絡膜転移は,外国では報告例が散見されるが1),本邦においてはきわめて少ない.欧米においては,眼科疾患の3,500例(Payne,1932)から147,000例に1例(Stattard,1933)の割で悪性腫瘍の脈絡膜転移がみられ,その70%前後が乳癌の転移であるという2,3).
本邦においては,1895年(明治28年)の桑原の報告以来4),現在まで私どもが渉猟しえた限りでは,20例の乳癌の脈絡膜転移が報告されている.
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