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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻10号

1975年10月発行

臨床報告

回盲部消化管重複症の2例

著者: 林雅造1 篠田正昭1 藤沢健夫1 能見伸八郎1 村上治朗1

所属機関: 1岐阜歯科大学外科

ページ範囲:P.1343 - P.1347

文献概要

はじめに
 消化管重複症は,舌根部より肛門に至る全消化管に発生しうるところの先天性形成異常である.従来,ente-rogenous cyst,enteric cyst,ileum duplex, jejunumduplex,unusual Meckel's divertecula, giant diver-ticula,enterocystoma等の名称で呼ばれていた疾患を,同じカテゴリーに属する病態として,Ladd及びGross(1940)は"Duplication of the alimentary tract"なる概念のもとに統一することを提唱した1).元来本邦では,本症で腸管に発生するもののうち,管状のものを重複腸管,球状のものを腸管嚢腫と呼んでいたが,腸管以外の消化管にも発生することから,それらを総称して消化管重複症と呼び2),とくに腸管に発生するものを腸管重複症(重複腸管)と呼ばれている.本症は比較的まれな疾患であるが,小児外科学の進歩に伴い,最近報告例が急速に増加している.
 われわれは,最近2例の回盲部消化管重複症を経験したので,症例を報告し,あわせて若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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