文献詳細
臨床報告
文献概要
はじめに
消化管重複症は,舌根部より肛門に至る全消化管に発生しうるところの先天性形成異常である.従来,ente-rogenous cyst,enteric cyst,ileum duplex, jejunumduplex,unusual Meckel's divertecula, giant diver-ticula,enterocystoma等の名称で呼ばれていた疾患を,同じカテゴリーに属する病態として,Ladd及びGross(1940)は"Duplication of the alimentary tract"なる概念のもとに統一することを提唱した1).元来本邦では,本症で腸管に発生するもののうち,管状のものを重複腸管,球状のものを腸管嚢腫と呼んでいたが,腸管以外の消化管にも発生することから,それらを総称して消化管重複症と呼び2),とくに腸管に発生するものを腸管重複症(重複腸管)と呼ばれている.本症は比較的まれな疾患であるが,小児外科学の進歩に伴い,最近報告例が急速に増加している.
われわれは,最近2例の回盲部消化管重複症を経験したので,症例を報告し,あわせて若干の文献的考察を加えた.
消化管重複症は,舌根部より肛門に至る全消化管に発生しうるところの先天性形成異常である.従来,ente-rogenous cyst,enteric cyst,ileum duplex, jejunumduplex,unusual Meckel's divertecula, giant diver-ticula,enterocystoma等の名称で呼ばれていた疾患を,同じカテゴリーに属する病態として,Ladd及びGross(1940)は"Duplication of the alimentary tract"なる概念のもとに統一することを提唱した1).元来本邦では,本症で腸管に発生するもののうち,管状のものを重複腸管,球状のものを腸管嚢腫と呼んでいたが,腸管以外の消化管にも発生することから,それらを総称して消化管重複症と呼び2),とくに腸管に発生するものを腸管重複症(重複腸管)と呼ばれている.本症は比較的まれな疾患であるが,小児外科学の進歩に伴い,最近報告例が急速に増加している.
われわれは,最近2例の回盲部消化管重複症を経験したので,症例を報告し,あわせて若干の文献的考察を加えた.
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