文献詳細
臨床報告
文献概要
はじめに
末梢性前大脳動脈瘤は比較的稀なもので,その頻度は2.5%1)から9.8%2)と報告されている.その大多数は,前大脳動脈がcallosomarginal arteryを分岐する部位,あるいは,frontopolar arteryを分岐する部位にみられる.しかし前大脳動脈の分岐にはバリエーションが多く,前大脳動脈枝の分岐部位別に動脈瘤の発生部位を検討するよりも,前大脳動脈が脳梁膝部で後方へ直角に屈曲する部位に好発すると表現した方が妥当である.この点より脳梁膝部の動脈瘤は定型的末梢性前大脳動脈瘤と呼ばれている3).
われわれは,くも脳下出血で発症し,脳血管撮影により右前大脳動脈終末部(Fischer A5)に発生した動脈瘤が発見され,手術により動脈瘤を切除し,動脈瘤の病理組織学的検索を加え得た症例を経験した.本症例は,発生部位的にみて非定型的動脈瘤4)であり成因の上からみても興味ある症例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
末梢性前大脳動脈瘤は比較的稀なもので,その頻度は2.5%1)から9.8%2)と報告されている.その大多数は,前大脳動脈がcallosomarginal arteryを分岐する部位,あるいは,frontopolar arteryを分岐する部位にみられる.しかし前大脳動脈の分岐にはバリエーションが多く,前大脳動脈枝の分岐部位別に動脈瘤の発生部位を検討するよりも,前大脳動脈が脳梁膝部で後方へ直角に屈曲する部位に好発すると表現した方が妥当である.この点より脳梁膝部の動脈瘤は定型的末梢性前大脳動脈瘤と呼ばれている3).
われわれは,くも脳下出血で発症し,脳血管撮影により右前大脳動脈終末部(Fischer A5)に発生した動脈瘤が発見され,手術により動脈瘤を切除し,動脈瘤の病理組織学的検索を加え得た症例を経験した.本症例は,発生部位的にみて非定型的動脈瘤4)であり成因の上からみても興味ある症例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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