文献詳細
カラーグラフ
大腸隆起性病変の微細表面形態—アルシャンブルー染色と実体顕微鏡の応用
著者: 小坂知一郎1 榊原宣1 鈴木博孝1 長廻紘1 青木暁1 小林政美1 矢端正克1 中江遵義1 矢沢知海1 竹本忠良1 中山恒明1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.1473 - P.1476
文献概要
大腸内視鏡検査の進歩には目覚ましいものがあり,最近では病変の拡大観察,色素着色法の開発など,診断能力を向上させる努力がなされている.しかるにわれわれが拡大観察に必要とする大腸粘膜表面形態の解析はほとんどなされていない.そこで数年来,われわれは拡大装置付ファイバースコープの開発,メチレンブルー着色法の研究をすすめるとともに,その基礎的研究として,生検により得た着色粘膜組織の実体顕微鏡的観察,カラチ・ヘマトキシリン染色と実体顕微鏡を応用し,大腸微小隆起性病変の形態学的分類1)などを行なつてきた.このメチレンブルー液,カラチ・ヘマトキシリン液が粘膜表面の吸収上皮を主体に着色あるいは染色するのに対し,現在われわれは粘膜表面のGoblet cellを主体に染色するアルシャンブルー液を用い,表面形態の拡大観察を行なつている.これらの研究は,その組織学的所見の裏付けによつて病変の表面形態を解析し,さらに近い将来臨床的に応用できるものと考えている.
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