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臨床研究
術後20年腹腔内残遺ガーゼ周辺存在物質に関する臨床的ならびに実験的報告—放射化分析法および赤外分光分析法による検討
著者: 一戸兵部1 杉本博洲1 石川惟愛1 佐藤光永1 秋葉文正2
所属機関: 1重症疾患研究所付属厚生病院 2弘前大学教育学部
ページ範囲:P.1485 - P.1488
文献購入ページに移動放射化分析法は近年著しく発達しつつある分析法である.特に戦後,原子炉の開発と測定器の急速な進歩に伴つて熱中性子による放射化分析が容易に行なえるようになり各方面で新しい知見がえられている.
著者らは,最近,約20年前手術の際腹腔内に残されたガーゼによる異物腫瘤を切除する機会をえた.患者は臨床上術後20年間何ら苦痛を訴えていなかつた.このガーゼ周辺をとりかこんで存在していた淡黄色泥状物質の理化学的性質を調べる目的でその自然乾燥物の中性子放射化分析法を試み,Ca,Mg,その他の定量を可能ならしめた.さらに本物質は石灰化していたので同試料につき赤外分光分析を行なつていろいろ検討した結果,その化学組成式を推定し,いわゆるhydroxyl apatite様物質と同定したので報告する.
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