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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻12号

1975年12月発行

特集 脳卒中の外科

治療の進歩

特発性脳内血腫

著者: 北村勝俊1

所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設外科

ページ範囲:P.1559 - P.1566

文献概要

はじめに
 特発性脳内血腫(spontaneous intracerebral he-matoma)は,明確な原因を指摘することができない脳内血腫である.したがって,外傷,腫瘍,脳動脈瘤,脳動静脈奇形などによる出血はもちろんいわゆる高血圧性脳出血もこれには含まれない.わが国における死亡統計では死因の第1位を占めるものは脳血管障害であることは広く知られており,その中に,脳出血,脳硬塞,クモ膜下出血がほぼどの程度含まれているかは,最近の疫学的研究により次第に明らかにされてきた9)しかしながら,脳出血の中には,高血圧性出血でもなく,脳動脈瘤,脳動静脈奇形を脳血管造影による臨床レベルでは証明できないものがあり,ことに若年者にそのようなものがかなりあることはあまり知られていない.われわれが1961年以来,現在までに経験した脳内血腫で,このような特発性脳内血腫は14例ある.まずその経験例を紹介し,現在本症がどのように理解されているかを概説することとしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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