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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科30巻2号

1975年02月発行

雑誌目次

特集 ショック治療の新しい考え方

ショックの輸血・輸液—当直中に遭遇したとの仮定の下に

著者: 長谷川博

ページ範囲:P.147 - P.152

はじめに
 はじめにお断わりしておきたいことは,著者自身は今までショックに関する研究を全く行なつたことがないという点である.加うるに著者はショックに関する文献を数えるほどしか読んでいない.つまり著者はショック嫌いである.それにも拘わらず今回ショック治療の最も重要な項目であるこのテーマの執筆を依頼されたことは何故であろうか.それは恐らく筆者が永年輸液とか電解質・酸塩基平衡に興味をもち,拙文をいくつかものにし,かつ現在なお臨床の第一線で体液異常の患者に接しているという点を編集委員の方がお考え下さつたからであろうと考えている.著者の強みを強いていえば,データに関する広義の測定誤差について,採血から測定に到るまで,一応徹底的な検討を自分自身で加えた経験があるというだけである.そのほかは,がんセンターという,或る意味では体液失調の宝庫のような施設で過去12年間,各科のへだてなくお座敷がかかり,その度毎に自分なりに最大の熱意を傾けて自ら採血し,導尿し,伝票を書き,優秀な検査設備で迅速正確に測つて貰い,これを直ちに利用して新しい方針を組みなおし,さらにその結果を再び採血,導尿…してfeed back式に患者の治療に利用してきただけである.このfeed backのcycleは早いときには1時間単位であり,自分で要点だと思うものは夜でも自分で測れる—但し技術的に幼稚なものだけであるが—というのが多少の強味といえば強味であろう.
 そこで本稿では,当直をしていたらショックまたはその疑いの患者が出たという想定の下に著者ならば差し当りこうし,翌朝こうするということだけを申し述べて,せめてもの責を果たさせて頂こうと考える次第である.つまり野戦病院レベルのショックの輸血輸液とお考え頂きたい.

ショックと抗生物質—特にエンドトキシンショックに関連して

著者: 由良二郎 ,   岡田英也 ,   藤井修照 ,   品川長夫 ,   鈴木芳太郎 ,   村松泰 ,   柴田清人

ページ範囲:P.153 - P.160

はじめに
 ショックと抗生物質という表題の意味するところは,1)抗生物質によるアナフィラキシーショックの発生,2) endotoxin shockを伴う重症感染症に対する化学療法および,3)一般ショック時における抗生物質投与の意義,4)ショックに伴う肝,腎機能障害時における抗生物質投与上の問題点などがその主な事項であろう.今日においては外科的重症感染症のほとんどがグラム陰性桿菌感染によるもので,sepsis, septic shockに移行する頻度が高く,各種の問題点を含んでいることからその病態,臨床症状,起炎菌とその対策,治療などについて論ずるとともに,各種ショック時における抗生剤の役割に関しても文献的考察を加える次第である.
 抗生剤によるショックに関しては1945年にCo-rmia1)等がPC-shockについて報告して以来,数多くの発生をみており,1966年の本邦における日本法医学会の最近5年間の調査2)によれば,各種薬物によるショックのなかでは麻酔剤についで第2位にランクされているのが抗生剤によるものである.しかしながら今日においてはPC以外の優秀な抗生剤の出現とPC-testの励行によりほとんどその影を潜めたといえるであろう.しかし近年開発された合成PCやその他の抗生剤によつても,ある程度のアナフィラキシーが存在することは十分念頭においておく必要がある.

ショック治療におけるステロイドの使用

著者: 赤木正信 ,   新田雅国 ,   庄嶋健 ,   岩木潤 ,   三隅克毅 ,   守且孝

ページ範囲:P.161 - P.167

はじめに
 ショックの病態解明については,近年かなりの進歩がみられはじめ,それに応じてショック治療にもまたいくらかの進歩がみられはじめている.特に1964年Lillehei1)が提唱して以来,ステロイドの大量投与がショックの治療として世界的に普及してきている.しかし,実際に臨床にたずさわつているわれわれが,常にステロイドの生物学的または,薬理学的作用を明確に把握しながら,病態に応じてステロイドを使用しているとはいいがたく,時には重症患者に対しただ漫然と万能薬のように使用する傾向がないとはいえない.従つて本稿では,ステロイド本来のホルモンとしての作用について述べ,ステロイドがショック治療に用いられるようになつたいきさつ,ショック治療におけるステロイドの価値,最近のステロイドの抗ショック作用に関する知見,臨床における投与方法,注意点などについて述べ,ショック治療の一助として頂きたい.

ショック肺の扱い方

著者: 山田良平 ,   鍋島秀雄 ,   杉本侃

ページ範囲:P.169 - P.173

はじめに
 医学の進歩により重篤なショックからの蘇生が広く可能となつたいま,今度はこのショック回復期に続発する重篤な呼吸障害がわれわれの前に大きく登場してきた.この現象は血液ガス測定の普及とともに広く注目されるようになつたもので,われわれの発表してきた重度外傷患者の呼吸障害,ベトナム戦争においてnonthoracic woundに起こるposttraumatic pulmonary insufficiencyはいずれも1960年代の後半に報告が始まつている1-5).ショック肺の治療はショックそのものの治療よりも困難な場合が少なくなく,その病態や治療法に関していまだ解決されていない問題が多い.ここでは大阪大学特殊救急部ICUで今まで研究を続けてきたショック肺の病態を紹介し,それにもとづき臨床例に行なつて確かな効果をみとめた治療法の紹介をしたい.

ショックと血液凝固

著者: 隅田幸男

ページ範囲:P.175 - P.181

はじめに
 血管内で血液が凝固すると血流が妨げられる.こういつた現象はショックのかなり進んだ状態でない限り通常は起こらない.血圧と血流の低下,末梢血管抵抗の増大,アチドージスの亢進,などが血管内凝固を促進する.血管内凝固の標的臓器は肺である.大切なことは,凝固が進行しはじめると同時に線溶活性が高まつて,血管内凝血を取除こうとする(第1図),つまり生体防禦機転の発現である.したがつて,凝固と線溶は同時に生じる.どちらが主体をなしているかを鑑別することはしばしば治療のポイントであるのにもかかわらず,容易なことではない.

エンドトキシンショック

著者: 早坂滉

ページ範囲:P.183 - P.189

はじめに
 近年,外科的技術の発展により,大きな侵襲,あるいは大手術が行なわれるようになり,この面での大きな進歩,発達がみられる.一方,それに伴い抗生物質の多用と輸血が日常茶飯事として行なわれるようになったが,しかし抗生物質の多用は一方では,ことにグラム陰性桿菌の耐性菌を生じ,また輸血をする機会が多くなるにつれて輸血による感染ということも見逃すわけにはいかない.したがつて,ここでいうエンドトキシンショック,いわゆる敗血症性ショック(septic shock)は最近,わが国でも散見されるようになつた.
 ショックを分類してThalのいっているように4つに分けて考えるのが良いと思う.すなわち,1) hypovelemics hock,2) cadiogenic shock,3) septic shock,4) neurogenic shockにわけているが1),このうちエンドトキシンショックは3)のseptic shockに入るのである.敗血症性ショックには,エキソトキシンショックとエンドトキシンショックと2つにわけることができるが,一般にはエンドトキシンショックの方がエキソトキシンショックに比べて約2倍多いということから,エンドトキシンについて研究がさかんである.エキソトキシンについての研究もややみられるが,エンドトキシンに関するものの方が圧倒的に多い(第1表).

ショック治療の羅針盤

著者: 佐藤光男

ページ範囲:P.191 - P.199

はじめに
 重症患者に使用されるモニタは数々あるが,これをよく考えてみると現状を観察分析し治療の効果ならびに経過を知るためのものと,さらに資料を収集して後日に役立たせようとするいわゆるリサーチを目的とするものとに大別されよう.両者ともに大切なことはいうまでもないが,ここでは急性重症患者に対し後者でなく前者の観察に主体をおき,治療の羅針盤となるような種々のモニタについて考えることにする.
 人間が死ぬときは心臓がとまり呼吸が停止するときである.したがって臨床に用いられるモニタについてもこれらに関するものが主要を占め,それに呼吸循環に密接な関係をもつ代謝に関するものが加わる.

カラーグラフ 臨床病理シリーズ・31

乳腺悪性腫瘍の諸相—手術材料の病理解説 I.非浸潤癌

著者: 広田映五 ,   佐野量造

ページ範囲:P.144 - P.145

 現在わが国において広く用いられている組織分類は,乳癌取扱い規約(乳癌研究会編,1971年3月)に付表のごとく定められている.本号では,非浸潤癌(non-infiltrating carcinoma)の通常型の代表的な例を取り上げ,以下は組織分類の順に従つて供覧することとする.
 非浸潤癌(non−infiltrating parcinoma) 腫瘍細胞占居部位が組織学的に乳管内ときに嚢胞内に限局し,間質への浸潤を認めないものである.浸潤の有無および良性の乳頭腫との組織学的鑑別が重要である.この種の癌は全通常型乳癌の約5%に相当する.本院例ではリンパ節転移を認めたものはなく,根治手術後の5生率は100%であつた.

クリニカル・カンファレンス

ショック治療をどうするか

著者: 山本修三 ,   関口忠男 ,   海老根東雄 ,   山岡郁雄 ,   桜井健司 ,   須藤政彦

ページ範囲:P.200 - P.214

《症例》
 交通外傷患者 28歳,男.
 受傷から受診までの経過 1974年8月24日,午前1時30分頃,乗用車運転中誤つて電柱に衝突し,ハンドルで上腹部を強打した.そのまま帰宅,就寝したが,午前6時頃より嘔気,嘔吐,腹痛を訴え,救急車で他院を経て,午前10時20分当院へ来院した.

臨床研究

アミノ酸輸液による代謝性アシドーシスについて—輸液剤の組成と投与例による検討

著者: 宮野英範 ,   五藤卓雄 ,   永田真敏

ページ範囲:P.221 - P.226

はじめに
 術後の患者,殊に消化管外科の患者はある期間経口的に食餌を摂取できないことが多く,静脈内への投与が余儀なくされる.このような場合最優先されるものは,水と電解質であり,手術侵襲の小さいものや短期間の摂取不能の者では生体にstoreされた脂肪,蛋白の異化により飢餓の状態,つまりカロリーと蛋白の負平衡にはよく耐えるものである.しかし手術侵襲の大きいもの,感染などの合併症を生じたもの,長期間摂取不能の者であれば十分なカロリー,蛋白の投与という有機レベルまで考えて代謝の維持をはからねばならない.低栄養状態が続くと創傷治癒の遅延,血液および細胞の再生減退,抗体形成障害(感染に対する抵抗弱),浮腫,血液凝固不良,褥瘡,ホルモンと酵素の合成不良などが生ずる.これらはすべて蛋白質の不足の結果生ずるものである.したがつて栄養輸液ではいかに蛋白の喪失を少なくするか,いかにうまく蛋白を与えるかということにつきる.
 静脈栄養は1967年にDudrickが高張糖液とアミノ酸を中心静脈から与える方法を紹介してから急速に普及した1,2,3).この栄養輸液は20%のブドウ糖と3%のアミノ酸の配合からなるものであり,中心静脈にカテーテルを挿入することにより高張液の点滴を可能ならしめ,これによりアミノ酸とともに大量の非蛋白のカロリー源を投与することができるようになり,アミノ酸がエネルギー源として消費されるのを防いだことが成功の大きなカギである.一方ヨーロッパではそれ以前から脂肪乳剤を加えた栄養輸液が開発され広く普及している4,5).カロリー源としていずれを主に求めるにせよ静脈栄養の目的は体蛋1「を保持することにあり,体蛋白の喪失に対しては蛋白をもつてしか補うことができないのはいうまでもない.

胃集検発見胃癌の検討

著者: 岡島邦雄 ,   藤井康宏 ,   石川純 ,   荒木京二郎 ,   戸谷完二 ,   寺田紘一 ,   伊藤国昭 ,   花房伸 ,   川西瑞哉 ,   坪井淳 ,   安田正幸 ,   小坂久史

ページ範囲:P.227 - P.230

はじめに
 1963年岡山県に初めて検診車が設置され,いわゆる岡山方式による胃集団検診が発足し10年が経過した.この間,集検にてチエックされ,ついで精密検査の結果,発見された胃癌患者,同容疑者については県下18保健所に登録されているが,その後の追跡調査は一定地域に限られ,県下全域にわたる調査はなされていなかつた.しかし,1971年4月岡山市に岡山成人病センターが開設され,岡山県全域の追跡調査が可能となつた.これを機に今回判明した1970,1971年度の集検胃癌の手術例を教室の切除胃癌例と比較・検討を行なつた.

腹膜癒着の研究—走査電子顕微鏡による観察

著者: 斉藤破瑠夫 ,   石井道夫 ,   綿貫喆

ページ範囲:P.231 - P.237

はじめに
 腹膜癒着と癒着防止方法については,古くから臨床的にも実験的にも,種々の方面から研究されて現在まで多くの業績が残されている.しかし,腹膜癒着を十分に防止しうる決め手となる方法または薬剤を見出しえないばかりでなく,癒着防止効果の判定方法についても一定した意見がない状態である.すなわち腹膜癒着防止剤の効果をみる場合,臨床的には癒着症状の発現の有無によつて,また実験的には,再開腹によつて癒着の程度を肉眼的に観察して,薬剤の効果を判定しているものが多い.また癒着の微細構造の観察にあたつても,癒着の主要な役割を演ずるフィブリンが線維状のため,薄切標本からはその構造変化をとらえることがむずかしい.
 近年医学領域に盛んに応用されるようになつた走査電子顕微鏡(以下SEMと略す)は,物質の表面微細構造の観察にきわめて適したものである.SEMによつてえられる多くの情報のうち現在医学領城に主に利用されている二次電子像では100Å程度の分解能がえられるばかりでなく,透過電子顕微鏡(以下TEMと略す)に比べて同時にきわめて広い範囲の観察が容易に行なえる利点をもつている.さらに二次電子像は物の表面を肉眼で観察したのと似た像がえられるばかりでなく,光学顕微鏡に比べてきわめて深い焦点深度をもつている.このため凹凸のはげしい表面微細構造の観察が可能となる.

臨床報告

末梢動脈瘤を反復せるBehçet病の1例

著者: 佐々木久雄 ,   大内博 ,   水口昇三 ,   九里孝雄 ,   大原到

ページ範囲:P.241 - P.244

はじめに
 最近,われわれは眼の症状を除く口腔,下口唇のアフタ性潰瘍,陰嚢部潰瘍の2徴候を有するBehçet病に右大腿動脈および右上腕動脈,左膝窩動脈の部位に多発性に動脈瘤が発生し,さらに反復して動脈破裂をくり返した症例を経験したので報告する.

開腹創瘢痕内の異所性骨形成の3例

著者: 竹内隆 ,   栗原彰 ,   宮野陽介 ,   田中繁 ,   阿部重郎 ,   坂田道義 ,   岸本宏之

ページ範囲:P.245 - P.250

はじめに
 開腹創内の異所性骨形成については,Askanazy1)(1901)がはじめて報告して以来,欧米においては多くの報告がみられる.本邦においては報告例は少なく,まれな疾患とされているが,その大部分は無症状に経過したり,生じた硬結が癌の腹壁転移として処理されることが多く見逃されている症例も少なくないと考えられる.われわれは最近上腹部正中切開後の開腹創瘢痕内に生じた異所性骨形成の3例を経験したので報告する.

急速に狭窄をきたした食道潰瘍の1治験例

著者: 池田雄祐 ,   浜田稔 ,   志智重之 ,   池田栄一 ,   荻田征美 ,   番場敏行 ,   佐々木廸郎 ,   市川健寛 ,   井林淳

ページ範囲:P.251 - P.255

はじめに
 食道潰瘍は食道癌に比較して,はるかにまれな疾患である1).したがつて,それと食道癌との鑑別診断は重要であり,また,時にこの鑑別が非常に困難な場合がある2)
 われわれは最近,特異な経過で高度の狭窄を伴つた食道潰瘍の1症例を経験した.胃全摘術後などの噴門機能廃絶による逆流性食道炎に起因する食道潰瘍は比較的多いが,本症例のように出産後高度の食道狭窄が急速に出現した症例は極めて少ないと思われる.そしてわれわれは,このような高度の狭窄を示した症例に対し,食道癌との鑑別診断に苦慮し,またかかる病変の成立機転を推測させる若干の病理組織所見を得たので報告する.

十二指腸良性腫瘍の1治験例

著者: 徳永蔵 ,   植木陽太郎 ,   松永章 ,   中山和道 ,   国崎忠彦

ページ範囲:P.257 - P.260

はじめに
 十二指腸良性腫瘍は比較的まれな疾患と考えられていたが,最近その報告例が増加し,さらに近年十二指腸スコープduodenoscopeも普及し,診断能の向上とともに今後これらの症例が多くなるであろうことが考えられる.われわれも十二指腸腺腫1例を経験したので症例を報告すると共に,われわれが集計しえた本邦十二指腸良性腫瘍154例について文献的考察を試みた.

消化管脂肪腫—結腸脂肪腫を中心として

著者: 遠藤正三郎 ,   佐藤方紀 ,   磯本徹 ,   山本康久 ,   仲座勇 ,   松永信弥 ,   吉岡一由 ,   佐野開三

ページ範囲:P.261 - P.268

はじめに
 消化管に発生する良性腫瘍のうち,非上皮性腫瘍は比較的まれなものであり,中でも脂肪腫はその発生する部位,大きさなどによつて発現する症状もまちまちで,診断方法も適確なものが少ないため,日常診療上ややもすれば本症の存在を看過し,誤診により長期の愁訴を余儀なくしている場合がないとはいえない.われわれは最近12年間に,当院外科において9例の本症を手術的に治療したが(第1表),その内3例は結腸に発生し興味ある経過を示したもので,これら3症例の報告を中心に,消化管脂肪腫について若干の考案と文献的考察を加える.

薬剤

術後栄養管理とガランターゼの使用経験

著者: 飛永晃二 ,   三浦敏夫 ,   内田雄三 ,   松尾正彦 ,   石井俊世 ,   千々岩秀夫 ,   村上義臣 ,   石丸宏哉 ,   辻泰邦

ページ範囲:P.269 - P.274

はじめに
 消化管の手術はそれ自体臓器の欠損を伴うものであり,病巣の進展状況によつては胃全摘や全結腸切除,さらには他臓器合併切除など根治性を目指してますます拡大されてゆく方向にある.このような状況の中でも手術直接死亡は確実に減少しており,また術後の遠隔成績も良好な成績が数多く報告されている.術後遠隔成績の向上は手術手技の確立や化学療法の進歩に負うところ大ではあるが,術前後の栄養管理の良否もまた重大な意味をもつている.そこで消化管手術例の中でも胃切除例,特に胃全摘例を中心に,術後栄養管理とそれに付随しておこつてくる下痢をとりあげ,その原因と対策に触れ,最後に外科領域におけるガランターゼの使用経験について述べたいと思う.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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