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特集 ショック治療の新しい考え方
ショックと抗生物質—特にエンドトキシンショックに関連して
著者: 由良二郎1 岡田英也1 藤井修照1 品川長夫1 鈴木芳太郎1 村松泰1 柴田清人1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1外科
ページ範囲:P.153 - P.160
文献購入ページに移動ショックと抗生物質という表題の意味するところは,1)抗生物質によるアナフィラキシーショックの発生,2) endotoxin shockを伴う重症感染症に対する化学療法および,3)一般ショック時における抗生物質投与の意義,4)ショックに伴う肝,腎機能障害時における抗生物質投与上の問題点などがその主な事項であろう.今日においては外科的重症感染症のほとんどがグラム陰性桿菌感染によるもので,sepsis, septic shockに移行する頻度が高く,各種の問題点を含んでいることからその病態,臨床症状,起炎菌とその対策,治療などについて論ずるとともに,各種ショック時における抗生剤の役割に関しても文献的考察を加える次第である.
抗生剤によるショックに関しては1945年にCo-rmia1)等がPC-shockについて報告して以来,数多くの発生をみており,1966年の本邦における日本法医学会の最近5年間の調査2)によれば,各種薬物によるショックのなかでは麻酔剤についで第2位にランクされているのが抗生剤によるものである.しかしながら今日においてはPC以外の優秀な抗生剤の出現とPC-testの励行によりほとんどその影を潜めたといえるであろう.しかし近年開発された合成PCやその他の抗生剤によつても,ある程度のアナフィラキシーが存在することは十分念頭においておく必要がある.
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