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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻2号

1975年02月発行

文献概要

特集 ショック治療の新しい考え方

エンドトキシンショック

著者: 早坂滉1

所属機関: 1札幌医科大学第1外科

ページ範囲:P.183 - P.189

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はじめに
 近年,外科的技術の発展により,大きな侵襲,あるいは大手術が行なわれるようになり,この面での大きな進歩,発達がみられる.一方,それに伴い抗生物質の多用と輸血が日常茶飯事として行なわれるようになったが,しかし抗生物質の多用は一方では,ことにグラム陰性桿菌の耐性菌を生じ,また輸血をする機会が多くなるにつれて輸血による感染ということも見逃すわけにはいかない.したがつて,ここでいうエンドトキシンショック,いわゆる敗血症性ショック(septic shock)は最近,わが国でも散見されるようになつた.
 ショックを分類してThalのいっているように4つに分けて考えるのが良いと思う.すなわち,1) hypovelemics hock,2) cadiogenic shock,3) septic shock,4) neurogenic shockにわけているが1),このうちエンドトキシンショックは3)のseptic shockに入るのである.敗血症性ショックには,エキソトキシンショックとエンドトキシンショックと2つにわけることができるが,一般にはエンドトキシンショックの方がエキソトキシンショックに比べて約2倍多いということから,エンドトキシンについて研究がさかんである.エキソトキシンについての研究もややみられるが,エンドトキシンに関するものの方が圧倒的に多い(第1表).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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