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臨床報告
胃穹窿部に基を有し長期十二指腸に嵌頓した胃粘膜下腫瘍の1例
著者: 久本寛1 米沢美枝子1 牛島康栄1 佐藤治良1 大村敏郎1 石引久弥1 中津喬義1 津村整1 関口進2
所属機関: 1川崎市立井田病院慢性疾患部消化器科 2川崎市立井田病院臨床研究検査部
ページ範囲:P.385 - P.389
文献購入ページに移動胃粘膜下腫瘍は,最近の診断面の著しい進歩に伴い,数多くの報告をみるようになつており,ある程度の鑑別診断は可能と考えられている.しかし,特異な形態を示すものもあり,その鑑別は決して容易ではなく,病理診断によつて初めて確診される場合が少なくない.胃内にある隆起性病変が,時に十二指腸内に脱出,もしくは嵌頓する場合があるが,その術前の質的診断はさらに困難であり,粘膜下腫瘍であるか,ポリープであるかの鑑別さえも困難な場合がある.
われわれは,胃穹窿部に基部を有し,周辺胃壁を茎様にして,十二指腸第II部に長期嵌頓していたと考えられる,胃粘膜下腫瘍の1例を経験したので報告する.
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