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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻5号

1975年05月発行

外科医のための生理学

胃—消化吸収の生理

著者: 渡部洋三1

所属機関: 1順天堂大学消化器外科

ページ範囲:P.581 - P.583

文献概要

 はじめに
 消化吸収の面における胃の役割は,摂取された食物を胃液とよく混和し,これを粥状にして少量ずつ小腸に送り込むことである.したがつて胃は消化吸収の面ではあくまでも脇役で,摂取食物ことに蛋白質を除いた固形食物を細かくして,小腸における消化酵素の作用面積を大きくし,消化を効率のよいものにしている.
 次に胃液の役割について考察してみると,消化吸収に直接あるいは間接に関与している因子は,pepsin,HCl,内因子の3つである.pepsinは蛋白分解酵素で蛋白質をpeptonにまで分解し,HClはpepsinogenを活性化してpepsinに変え,また食物中の鉄をイオン化して吸収しやすくする.内因子はvit.B12の吸収にとつて不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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