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臨床研究
胸部食道癌のリンパ節転移に関する検討
著者: 富田正雄1 古賀保範1 白石満州男1 阿部治美1 綾部公懿1 武富勝郎1 柴田紘一郎1 三浦敏夫1 釘宮敏定1 調亟治1 辻泰邦1 中山巌2
所属機関: 1長崎大学医学部第1外科 2長崎大学医学部中検病理
ページ範囲:P.593 - P.597
文献購入ページに移動食道癌の術後の予後を向上させる1因子としては,リンパ節廓清とともに癌巣を十分に切除することにある.
食道のリンパ流に関しては縦軸方向の経路が指摘され,頸部食道では左右の旁気管リンパ節,深頸リンパ節の経路,胸部食道では旁気管および後縦隔リンパ節の経路,腹部食道では噴門リンパ節経路が指摘されている1).
しかしながらGarlock2)が述べるように,悪性腫瘍による正常リンパ路の閉塞によりparadoxe lymphbahnの存在を考えるとき,本症のリンパ節転移は複雑な形式をかもし出すものと想像される.そのため本症の外科的治療とくにリンパ節廓清の範囲も複雑多岐なひろがりにまでおよぶものと考えられる.
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