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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻6号

1975年06月発行

特集 乳癌—最近の趨勢

Stage I乳癌と定型的乳房切断術

著者: 井上権治1 岡崎邦泰1

所属機関: 1徳島大学医学部第2外科

ページ範囲:P.662 - P.668

文献概要

はじめに
 乳癌は体表面に発生する癌腫である.したがつて通常他の深部内臓に発生する癌よりも発見,診断は容易であり,その根治的手術もそれほど直接生命の危険を伴うような侵襲ではない.しかもそのStage Iとなれば根治手後の結果も当然良好であり,広く悪性腫瘍治療の現状からみるとむしろ満足すべき治療成績を挙げている部類に属するものといつてよかろう.しかしながら治療医学の目標を100%の治癒と後遺症なき社会復帰とすれば,今日のStage I乳癌治療成績は決して満足すべきものではなく,さらに一段の飛躍,向上が望まれ,また診断法,各種補助療法の進歩も加わつて,従来の根治的手術法にもある改変が要求される気運もみえはじめている.
 第20回乳癌研究会(1974年6月,徳島市)においてこのStage I乳癌の問題がとりあげられた理由も上記の点にあつたわけであり,ここに本研究会における記録と各種代表的文献の意見を参照してStage I乳癌(I期乳癌)に対する定型的乳房の切断術(定乳切)の問題を論じてみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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