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臨床報告
盲腸に発生した非特異性単純性潰瘍の1例
著者: 加辺純雄1 大森幸夫1 中野喜久男1 水野幸一2 田中昇3
所属機関: 1千葉県がんセンター消化器科 2千葉県がんセンター放射線診断部 3千葉県がんセンター研究所病理部
ページ範囲:P.763 - P.767
文献購入ページに移動大腸には,さまざまの疾患を背景として非特異性潰瘍が発生する.それらの中で非特異性単純性大腸潰瘍については,潰瘍性大腸炎や大腸Crohn氏病と比較して,なお概念の混乱があり,まだ検討の段階にある多くの問題点を抱えている.すなわち,この非特異性単純性大腸潰瘍は1830年Cruveilhierによつて,"simple ulcer"と名づけられて以来,欧米では幾つかの総説,症例報告1-3)9)等がみられるが,わが国での報告は比較的少ない現況にある(付表).
最近,著者等は,盲腸部に発生し手術により治癒せしめ得た単純性大腸潰瘍の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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