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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻7号

1975年07月発行

文献概要

特集 手術と副損傷

結腸手術における副損傷

著者: 安富正幸1 多田正安1 原満1

所属機関: 1近畿大学医学部第1外科

ページ範囲:P.795 - P.800

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はじめに
 盲腸よりS状結腸にいたる結腸は約1.5mの長さを有し,右下腹部より上腹部,さらに左下腹部と腹部全体にまたがつているから,結腸手術の際の副損傷もまた腹腔内および後腹膜にある各種臓器に起こる可能性はある.しかしながら,一般には横行結腸とS状結腸は長い腸間膜をもつているし,また,腸間膜のほとんどない盲腸や上行結腸,下行結腸は右あるいは左の腹腔背面にあるため,隣接臓器とくに後腹膜臓器の副損傷は比較的稀である.しかしpoor riskの患者や緊急手術で,炎症,癒着,癌浸潤などのある場合には予期せぬ術中の合併症に遭遇し,その対策に苦慮することがあるばかりでなく,ひいては患者の生命をもおびやかすことにもなる.このような副損傷を避けるために,日常注意している事項や実際に副損傷が起こつてからどのように対処するかなどについて私どもの経験をもとにしてのべてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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