icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻7号

1975年07月発行

文献概要

特集 手術と副損傷

乳腺手術における副損傷

著者: 阿部令彦1 榎本耕治1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部一般外科

ページ範囲:P.821 - P.823

文献購入ページに移動
はじめに
 乳癌根治手術は腹部の手術より十分良い視野が得やすいので,基本的事項を忠実に守れば副損傷は起こりにくい.しかし,対象が癌であり,進行した症例ではリンパ節転移が腋窩静脈に癒着していることもあり,また,胸骨旁リンパ節転移の症例で胸膜の肥厚,癒着があるような場合では胸膜の損傷も起こりかねない.今回,ここにとりあげたのは,そのような進行期癌の症例ではなく,ごくありふれた乳癌根治手術を行なつて,不注意というか,技術の未熟というか,ちよつとした動機で副損傷を起こしてしまいそうな点をとりあげ列挙した.
 副損傷として,(1)皮膚,(2)血管,(3)神経,(4)その他(筋肉,胸膜等)があるが,術式の手順に従つて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?