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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻7号

1975年07月発行

文献概要

臨床研究

食道離断術術後における高カロリー輸液

著者: 長山正義1 笠井孝洋1 中尾昭治1 奥野匡宥1 紙野建人1 梅山馨1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第1外科

ページ範囲:P.845 - P.851

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はじめに
 食道静脈瘤を有する肝硬変症などに対してわれわれの教室では,食道離断術,剔脾,Devascularizationを行なつてきたが,これらの症例はもともと肝機能障害に基づく種々の代謝異常や門脈圧亢進などを有し,さらに術後の肝機能の増悪ならびにcatabolic state,絶食による栄養低下などが加わり,腹水貯溜,縫合不全,肝性昏睡などの発生のため,術後の管理に苦労することも少なくない.この様な合併症の発生因子として,当然,術前の肝機能の状態が最も重視されるべきものと考えられるが,術後の栄養低下もまた重要な因子であると思われる.近年,経口摂取不能な患者の栄養低下に対して高カロリー輸液が行なわれ,その臨床的有効性はすでに認められている1-5).しかし,肝疾患における高カロリー輸液については,Host,Zumtobelら以外には総合的な報告がほとんどみあたらない7,8)
 肝障害時には,種々の代謝異常のため,投与するカロリー源や窒素源の種類および質については問題の存するところであるが,今回われわれの,肝硬変症などで食道離断術,剔脾,devascularizationを行なつた7例に,カロリー源として果糖とブドウ糖を併用した術後の高カロリー輸液を施行し,その臨床経過並びに成績について検討したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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