icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻7号

1975年07月発行

臨床報告

稀有な急性腹症の1例:胃野兎病—本邦第1例

著者: 一戸兵部1 一戸るみ子1 吉岡岑生1 杉本博洲1 石川惟愛1 佐藤光永2

所属機関: 1青森県黒石市厚生病院外科 2弘前大学医学部第1病理

ページ範囲:P.901 - P.906

文献概要

はじめに
 野兎病(Tularemia)は人獣伝染病の1つである.悪寒,高熱,リンパ腺腫脹をきたす一種の伝染病で1921年E.Francisにより,さらに,1924年大原八郎が,それぞれまつたく独立に発見し精細に研究している.本邦では東北を中心に中部,北陸,関東,北海道で発見され風土病と考えられており,野兎病菌に感染した野兎に触れ,あるいは料理する際人が感染し,肘,腋窩のリンパ腺の腫張,疼痛を主訴として発症し,まれにはチフス様症状を呈するといわれ,今までに本邦では,内臓系,特に消化器系に発生することが極めて少ないとされ,わずかに大原らの野兎病性腹部大動脈瘤の1例4)(本症例においては組織診断のみ菌培養されず)が報告されているにすぎない.ここにわれわれは,本邦初めての胃型野兎病の1例を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら