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文献詳細

雑誌文献

臨床外科30巻8号

1975年08月発行

文献概要

カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・1

色素法

著者: 遠藤光夫1 鈴木茂1 田中三千雄1 中江遵義1

所属機関: 1東京女子医大消化器病センター

ページ範囲:P.940 - P.941

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A.食道
 1)0.5%メチレンブルー溶液または1〜2%トルイジンブルー溶液を,内視鏡直視下に撒布,1分後に水洗し,余分な色素液を流して観察する.癌露出部への着色が,癌潰瘍底,腫瘍表面の附着物,苔の濃染部と正常上皮におけるわずかの色づきとの中間位にみられる(①).凍結切片による検索で,癌細胞の2〜3層の厚さに色素がみられ,"表面への附着","しみこみ","核,細胞質へのとりこみ"の3種類がみられる.良性びらんに対しては,肉芽組織,また再生上皮部分で着色がみられるが,苔以外は一般には癌部より淡い.びらんの対照をつける,びらん内の苔ととりのこし上皮との鑑別に応用される(②).
 2)3〜5%ルゴール液の撒布で,正常上皮は,ふくまれるグリコーゲンのため黒変する.癌,びらんなどで,上皮欠損部は変色しない.③は摘出標本に撒布したもので2つの癌部は黒変しない.なお,上皮内癌,異型では色が淡く,興味のあるところである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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