文献詳細
特集 消化管の創傷治癒
文献概要
はじめに
消化管の吻合法は消化器外科のもつとも基本的な手技であり,古くから十分に研究され検討されつくした問題であるにもかかわらず,低蛋白血症や副腎皮質ホルモン長期投与などの全身的悪条件あるいは食道再建術などの吻合部局所の悪条件の場合には縫合不全が皆無ではない.これを防止するには各消化管の解剖学的特性を十分に把握することが必要であり,異常環境下での安全な吻合にはそれなりのきめこまかい手技上の配慮が要求されよう.以下,この点に関するわれわれの実験成績を述べ,安全な食道小腸吻合について創傷治癒の面から若干の検討を加えた.
消化管の吻合法は消化器外科のもつとも基本的な手技であり,古くから十分に研究され検討されつくした問題であるにもかかわらず,低蛋白血症や副腎皮質ホルモン長期投与などの全身的悪条件あるいは食道再建術などの吻合部局所の悪条件の場合には縫合不全が皆無ではない.これを防止するには各消化管の解剖学的特性を十分に把握することが必要であり,異常環境下での安全な吻合にはそれなりのきめこまかい手技上の配慮が要求されよう.以下,この点に関するわれわれの実験成績を述べ,安全な食道小腸吻合について創傷治癒の面から若干の検討を加えた.
掲載誌情報