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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻1号

1976年01月発行

特集 遠隔成績よりみた早期胃癌

早期胃癌におけるリンパ節転移と遠隔成績

著者: 高木国夫1 中田一也1

所属機関: 1癌研究会附属病院外科

ページ範囲:P.19 - P.27

文献概要

はじめに
 胃癌の治療成績は年々向上を示し,術後5年生存率も50%をこえるに至つているが,その主たる原因は早期胃癌の増加によるもので,進行癌は5年生存率が50%をこえていない現状である.癌が胃粘膜層及び粘膜下層に止まる早期癌では,その5年生存率は90%前後であつて,きわめて良好な成績を示しているが,術後5年以内になお10%前後の死亡例をみとめている.この予後良好な早期胃癌の中で,死亡した10%については,それらの死因は大きく大別すると術後の直接死亡例,再発及び他病死に分けられる.とくに予後良好な早期胃癌において,再発によるものが諸家の報告によると表1の如く死亡例の25.5〜53%をしめて,再発の因子としては,P (腹膜播種),H (肝転移),N及びn (リンパ節転移)である.この中で外科治療の上ではリンパ節転移に対する徹底的廓清が可能であり,また,早期胃癌といえどもリンパ節転移とみとめるものが稀ではないこと,また,早期胃癌の再発例にはリンパ節転移をみとめるものが多いことより,早期胃癌の遠隔成績に及ぼす因子として重要であり,われわれの経験した早期胃癌を中心にリンパ節転移と遠隔成績について報告したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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