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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻1号

1976年01月発行

文献概要

臨床報告

食道壁内嚢腫の1治験例

著者: 木村孝哉1 森昌造1 渡辺登志男1 渋谷一誠1 本間正敏1 酒井信光1 葛西森夫1 知念功雄2 浅木茂2

所属機関: 1東北大学医学部第2外科 2東北大学医学部第3内科

ページ範囲:P.91 - P.94

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はじめに
 食道に発生した腫瘤は通常縦隔腫瘤に含めないのであるが,食道腫瘤はしばしば縦隔の先天性嚢腫として報告されている.1964年葛西1)らの原発性縦隔腫瘍の本邦集計によると,先天性嚢腫48例で約5%を占めるにすぎず,うち気管支性嚢腫32例,食道性嚢腫3例,その他の消化管性嚢腫2例,心嚢性嚢腫4例,非特異性,その他の嚢腫7例であり,菅野2)による1964年時気管支性嚢腫の本邦報告例は47例である.最近縦隔嚢腫の報告は非常に増加してきており,正岡3)らの縦隔外科全国集計では,先天性嚢腫332例で8.1%を占め,うち気管支性嚢腫184例,心嚢性嚢腫63例,消化管性嚢腫29例,髄膜嚢腫6例,胸膜嚢腫2例,胸管嚢腫2例,鰓弓性嚢腫2例,上皮性嚢腫1例,血液嚢腫1例とその大部分は気管支性嚢腫であり,食道性嚢腫は18例である4-20).さらに食道壁内嚢腫は非常にまれであり,今までの報告では7例を数えるのみである.最近われわれは食道壁内嚢腫の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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