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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻10号

1976年10月発行

文献概要

特集 肝切除の術式

肝左葉切除術

著者: 都築俊治1 尾形佳郎1 中村達1 飯田修平1 大塚秋二郎1 細田洋一郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.1271 - P.1279

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はじめに
 肝切除術はすでに半世紀以上の歴史を有する手術であるが,なお普及した手術になつているとは言い難いのが現状である,一方,肝切除術の対象である肝癌はわが国では胃癌,肺癌についで多い癌であり,また最近は肝外傷の増加につれて肝切除の必要性が高まつており,その普及は時代の要請でもある.この意味で1976年4月日本外科学会においてシンポジウム「肝切除」が行なわれ,引き続いて本特集が企画されたのは当然である.筆者に与えられたテーマは左葉切除術であるが,われわれのこれまでの経験を基礎にして左葉切除術の概略と問題点を述べてみたい.
 われわれが最近3年間に経験した肝切除例は14例で,その内訳は左葉切除8例,右葉切除3例,拡大右葉切除3例である.各症例の原疾患,切除量,出血量,合併症および転帰は表1のごとくである.左葉切除は右葉切除に比べて一般的には容易であるが,困難なものもあり,各症例について工夫が要求される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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