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臨床研究
大腸癌切除における吻合部位よりみたドレナージの必要性
著者: 樋上駿1 池永達雄1
所属機関: 1虎の門病院消化器外科
ページ範囲:P.1345 - P.1351
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大腸の吻合は,最も縫合不全の多いものの1つであつたが,最近では,吻合手技の改良などにより,その率は低下しつつある.
一方,大腸癌手術において,リンパ節廓清は拡大される方向にあり,腹膜などの欠損部が大きくなる傾向にある.それに対し,drainageなどの対策が必要になつてくる.このdrainageは,術中の貯溜に対してはもちろん,術後必ず貯溜することを見越してdrainを挿入するという積極的な意味で,therapeutic drainageをさす.よつて,出血や縫合不全の発生を知るためのinformation drainageや,縫合不全を起こした場合に役立つという,消極的な意味でのprophylatic drainageとは異なる.
大腸の吻合は,最も縫合不全の多いものの1つであつたが,最近では,吻合手技の改良などにより,その率は低下しつつある.
一方,大腸癌手術において,リンパ節廓清は拡大される方向にあり,腹膜などの欠損部が大きくなる傾向にある.それに対し,drainageなどの対策が必要になつてくる.このdrainageは,術中の貯溜に対してはもちろん,術後必ず貯溜することを見越してdrainを挿入するという積極的な意味で,therapeutic drainageをさす.よつて,出血や縫合不全の発生を知るためのinformation drainageや,縫合不全を起こした場合に役立つという,消極的な意味でのprophylatic drainageとは異なる.
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