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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻11号

1976年11月発行

文献概要

講座

ハリ麻酔—⑨ハリ麻酔実技上の問題点

著者: 神山守人1

所属機関: 1杏林大学医学部麻酔科学教室

ページ範囲:P.1469 - P.1471

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□刺激部位の選定
 ハリ麻酔が,まだ実際に起こりうるものかどうか疑問視されていた時期には,ハリ麻酔に関していろいろな批判がいわれていた.ハリ麻酔の発展段階では,ハリ麻酔を実施する人によりツボの選定がさまざまであるのを評して,ハリが麻酔としての効果を持たず,患者に対する暗示的ないしは一種の催眠術的なものとしている論文も数多くあつた.その例の1つとして,甲状腺切除術のハリ麻酔に関して中国で見ききした医師各グループにより,同じ手術の同じ麻酔が一方では前腕の伸側のツボを刺激するし,また一方では拇指と示指の基部のツボを,他のグループは"合谷"部のマッサージのみ(鍼を用いず)とさまざまである点がある.しかしハリ麻酔の発展過程における刺入点の選び方を整理してみるといくつかの傾向がある.
 まずハリ麻酔のごく初期には,経路説にのつとつて効果のあると見られるツボをすべて刺入刺激していた.この時期は非常に刺入点が数多くあつたが,そのうち徐々にあまり効果のないツボは整理されていつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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