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臨床研究
高齢者の上部胃癌
著者: 押淵英晃1 鈴木博孝1 川田彰得1 矢端正克1 松田滋明1 寺田昌功1 横堀直孝1 平嶋勇1 木村秀俊1 榊原宣1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科
ページ範囲:P.1473 - P.1476
文献購入ページに移動近年平均寿命の延長に伴い,高齢者の胃癌症例に接する機会が急速に増加しつつあり1,4,8),これら高齢者胃癌の取扱いは今後の大きな問題となつている.高齢者胃癌の特徴についてはこれまで数多くの研究があるが,高齢者の胃癌は若年者に比し下部胃癌の占める率が高く,噴門部がおかされることは少ないため,結果的に高齢者胃癌の特徴として主に下部胃癌についてのべられた報告が多い1,3,4,8,12,13).しかし高齢者にも上部胃癌は少なからずみられ,手術適応の決定,手術法の選択に際し全身状態の面からもしばしば問題となる.栗田6)は高齢者胃癌の発生原因について病巣部位別に,疫学的に検索し興味ある知見をえたとのべているが,われわれの集録しえたかぎり他に高齢者胃癌の特徴を病巣部位別に検索した報告は見出しえなかつた.そこで今回われわれは臨床病理学的に高齢者の上部胃癌を下部胃癌と比較して検討したので若干の文献的考察を加えて報告する.
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