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臨床報告
99mTcにより診断し得たMeckel憩室の1例と本邦報告例580例の統計的観察
著者: 山口宗之1 竹内節夫1 村国均1 粟津三郎1 星野道雄2 四宮範明2
所属機関: 1東邦大学医学部第2外科 2東邦大学医学部小児科
ページ範囲:P.1647 - P.1651
文献購入ページに移動Meckel憩室の診断は非常に困難であり,他の開腹手術の際偶然に発見されることが多い.多くは無症状に経過することが多く,なかには合併症を併発し種々の臨床症状を呈し,緊急手術を施行し発見されることが多い.合併症のなかでも腸閉塞,腸重積,憩室炎が主で,その他出血,穿孔等があると言われている1).一般に新生児期は主に消化管通過障害が多く,乳幼児期になると出血性潰瘍が主となる傾向がある2).
Meckel憩室については,土屋ら3)(1956),清成4)(1964),田中ら1)(1970)が本邦報告例を集計している.その後著者らは1976年6月までの文献上の報告例136例の集計を加え,本邦文献例580例について統計的観察をおこなつた.また術前に99mTc-pertecbnetate(以下99mTcと略す)スキャンで診断し得た自験例1例を報告し,合せて本邦報告例14例について文献的に考察した.
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