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臨床報告
カルシトニン測定により確診しえた甲状腺髄様癌の1例
著者: 高見博1 阿部令彦1 薬丸一洋2 相羽元彦2 三村孝3 伊藤国彦3 亀谷徹4 安達勇4
所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科 2慶応義塾大学医学部病理 3伊藤病院 4国立がんセンター
ページ範囲:P.1657 - P.1660
文献購入ページに移動甲状腺髄様癌は1959年Hazardら4)の報告以来,充実性蜂巣を示し,間質にはアミロイド沈着を認め,高頻度にリンパ節に転移し,明らかに未分化癌と区別できる甲状腺癌として独立した疾患と考えられてきたが,近年その腫瘍細胞は傍濾胞細胞(parafollicular cell,Ccell)由来であり,血中カルシウム濃度を低下させるThyrocalcitonin(CT)を分泌することが判明し,ホルモン産生腫瘍としてにわかに脚光を浴びるようなつた.著者らは甲状腺右葉の極めて小さな病巣より広汎な転移をきたし,血漿CT値の測定により確定診断できた甲状腺髄様癌の1例を経験したので報告する.
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