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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻12号

1976年12月発行

文献概要

臨床報告

Behçet症候群に合併せる膝窩動脈瘤の1例

著者: 小林武彦1 早川和志1 村上和彦1 古川欽一1 高橋雅俊1 外野正巳2

所属機関: 1東京医大外科 2東京医大病理

ページ範囲:P.1661 - P.1664

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はじめに
 Behçet症候群は慢性遷延性炎症性疾患がその基盤とされているが,その臨床症状はきわめて多彩であり,主症状として口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状あるいは外陰部潰瘍があげられるが,その他の随伴症状として神経系,血管および消化器系の症状が特徴的に現われる場合がある.これらの中でもNeuro—Behçet症候群あるいはAngio-Behçet症候群と呼ばれる病型は予後も不良で,とくにAngio-Behçet症候群は最近きわめて重大な病型として注目されてきた.すなわち,その病変は動脈系のみならず静脈系でも発現し,とくに動脈系においては多発性動脈瘤を形成することも多く,また動脈瘤の破裂が死亡原因の重大因子となることを考慮に入れて治療に当らねばならない.
 最近,われわれは,口腔粘膜のアフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍を有する完全型Behçet症候群に,右膝窩動脈瘤を合併した症例に血管形成術を行ない良好な結果を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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