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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科31巻2号

1976年02月発行

雑誌目次

特集 手術と肝障害

肝機能障害時の手術適応の決定—内科の立場から

著者: 奥田邦雄 ,   上田志朗

ページ範囲:P.145 - P.149

はじめに
 肝臓は生体内で最大の実質臓器であり,生体の代謝の中心的な役割を果たしており,糖質,蛋白質,脂質の合成分解,さらに色素,ホルモン,薬物等の代謝,解毒排泄等の複雑な機能を営なむ.加えて循環系,造血系,血液凝固系にも大きな影響力を持つ.また肝臓は大きな予備力を有しており,通常はその能力の2割程度の働きで十分であるが,必要に応じて5倍の働きをなし侵襲に対処しうる.
 一方,肝機能障害は症状を伴わないことが多い.かつては黄疸,腹水などの症状の発現で肝障害を知つたが,それは進行した肝機能低下の状態であり近年血液生化学的検査の進歩に伴い軽度の肝機能障害をも探知しうるようになつた.外科においても血液生化学的検査を行ない,手術前肝機能検査異常を知り,手術適応の有無を内科に問合わせてくることが多くなつた.われわれ内科医にとつてもきわめて難かしい問題であり,肝機能障害以外にも原疾患,年齢,栄養状態,心肺機能等も同時に考慮しなければならない.一般に手術に伴う侵襲,術中の肝血流の低下,ショック,麻酔,投与薬剤等は肝機能障害の増悪因子とされ,またウィルス以外の術後黄疸の原因と考えられている9).一度手術後に肝不全に陥るとその回復はきわめて難かしいので,肝機能の悪い患者が手術を要する場合には,慎重に考えなければならない.どの程度の肝障害に手術を施行した場合,増悪させるか,またどの程度の障害の時は,後にいちじるしい変化を残さずに手術をしうるかを適確に判断し予測することは,routineの肝機能検査のみでは必ずしも十分でない.可能な範囲でいろいろの検査方法を駆使して,肝病態の診断およびその重症度を決め,手術適応を決定するのが望ましい.もちろん診断に要する時間を待期できない緊急の手術の場合は別である.本稿では,肝機能障害患者の一般外科的手術の適応について,および手術すべき原疾患が肝.胆道系疾患の場合の適応について述べる.

肝機能障害時の手術適応の決定—外科の立場から

著者: 河野信博 ,   菅原克彦 ,   島津久明 ,   石川浩一

ページ範囲:P.150 - P.156

はじめに
 肝機能は肝の複雑な機構を比較的単一なパラメーターで表現する関係にあるので,そのために肝障害に外科的侵襲を加える適期の決定に際しては,しばしば外科医を困却させることが多い.本稿では,外科手術と肝障害との関連について,肝障害に外科的病態が纒つている場合や,一般外科臨床ではもつとも普遍的な胃切除時の肝障害のもつ意義などから,手術適応の問題にふれてみたい.

肝炎・肝硬変を伴う場合の手術適応の決定

著者: 井口潔 ,   小林迪夫

ページ範囲:P.157 - P.164

はじめに
 肝障害の存在は手術侵襲ならびにそれよりの回復過程において,全身的要因としてもつとも重視すべきものである.とくに,術前肝障害の明らかな患者では,術後創治癒の遷延,種々の術後合併症の併発をみることはもちろん,最悪の場合は肝不全に陥り,死の転帰をとることも稀ではなく,肝障害例に対する手術適応決定には,とくに慎重な配慮が必要である.
 しかし,肝臓はその機能が複雑多岐にわたり,肝障害の病像も疾患によりかなり相違し,さらに,肝臓の代償機能の大きいこともあつて,術前,患者の肝障害の程度を質的,量的に正確に把握し,その手術侵襲に対する予備力を推定することは,はなはだ困難なことといわざるをえない.他方,手術侵襲についても,肝門脈系に直接侵襲を加える場合と,その他の手術では,肝臓に与える影響も全く異なり,同一目的の手術であつても,術式の相違や,麻酔法,手術時間,出血量などの手術経過によつて,当然,肝臓への影響は異なつてくるものである.

術後肝障害とその防止対策—肝不全について

著者: 佐藤寿雄 ,   小山研二 ,   高木靖 ,   大和田庸夫

ページ範囲:P.165 - P.173

はじめに
 肝臓は生体内では最大の実質臓器であり物質代謝の中心でもある.したがつて手術侵襲による多彩な生体内の変動は,さまざまな形で肝に影響をおよぼす.すなわち麻酔剤をはじめとした各種薬剤の投与,循環動態の変動,受傷による影響とその治癒過程にまつわる物質代謝の変動などが直接,間接に肝に負担を与える.その結果,肝機能に変調を生じさせることが考えられるが,肝機能が正常の時は多くの場合,肝はその幅広い対応能力により肝機能は異常を示さないか,一過性の障害にとどまる.しかし特に術前からすでに肝障害のある患者では,その負担が肝の代償能を上廻つた時には肝機能の失調をきたし,重篤な肝不全に陥ることが稀ではない.したがつて外科医は手術に際しては,患者の肝機能の状態を正確に把握しておく必要がある.しかし肝は予備能力が強力で,代償機能にすぐれているため,通常の肝機能検査では詳細な肝障害の程度や,予備能力を判定することは困難である.それ故手術時の肝不全の発生を予知することはきわめて困難であるが,一旦肝不全に陥つた場合にはきわめて重篤な状態となるので,術前術後の管理は慎重に行なうとともに,肝不全の対策には万全を期する必要がある.今回は教室の経験を基にして,まず手術後の肝障害の実態を述べ,さらにその防止対策についても触れてみたいと思う.

術後肝障害とその防止対策—輸血後肝炎の遷延例と重症例ならびにHalothane Hepatitisの実態について

著者: 市田文弘 ,   佐々木博 ,   井上恭一 ,   大貫啓三 ,   小嶋允夫

ページ範囲:P.174 - P.179

はじめに
 術後肝障害の原因としてはいろいろのものがあげられ,術中あるいは術前後のショック,低血圧,低酸素血症等循環不全に起因あるもの,使用薬剤による肝障害,さらに合併する敗血症による2次的な肝障害もあり,また一方輸血後肝炎の発生は現在なお術後肝障害の中でもつとも高い頻度を占め,多くの問題をかかえている.
 ここでは筆者らが輸血後肝炎の実態を遷延例,重症例を中心に検討した結果をのべるとともにHalothane hepatitisの実態についてもふれる1)2)

麻酔と肝障害

著者: 川田克也 ,   諏訪邦夫

ページ範囲:P.180 - P.185

はじめに
 麻酔のほとんどは,1人1人異なつた生理学的特徴を具えた患者に,さまざまな手術が行なわれることを前提としてかけられるものである.そのため,患者の術前の栄養状態,麻酔剤,術中の低酸素症,炭酸ガス蓄積,低血圧,手術部位,手術手技,輸血,術前から存在する肝疾患や他の疾患,麻酔剤以外の薬剤の使用等,多数の因子が術中術後の肝機能に影響をもたらし,麻酔自体が肝臓に及ぼす影響を明らかにするのははなはだ困難となり,注目されているハロセンの肝障害に関してもまだ結論はえられていない現状である.また術前に肝障害のある患者に麻酔をかける機会は非常に多いが,その場合,どの麻酔剤,麻酔法を選択すべきかという問題も解決されていない.
 しかし,術後肝不全に陥つた患者の予後ははなはだ悪く,腎不全の際の人工透析に相当する治療法もない現在,麻酔医として肝不全の予防に努めることはきわめて重要であろう.以下,麻酔の肝機能に及ぼす影響,ハロセンと肝障害,肝障害時の麻酔について述べてみたい.

カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・7

術後胆管内視鏡検査法

著者: 山川達郎

ページ範囲:P.142 - P.143

 術中胆管造影法のroutine化は,確かに無用な胆管切開を少なくしたものの,false positive, false negativeの問題は,レ線学的診断法が推定診断である以上永遠に議論のつきないところであり,これをいくらかでも少なくし遺残結石,肝内結石症の発見,予防,および治療に結びつく方法をと期待するならば,肉眼的裏付けが得られる内視鏡的検索法が要求されることはいうまでもない.
 術後胆管内視鏡検査法は,あまり聞きなれない言葉であると思われるが,これは術後約3週間後にT-tube cholangiogramを介してわれわれの開発した改良型胆道fiberscopeを挿入,生理食塩水を滴下しながら胆管内を検索するものであり,諸種鉗子類を用いての非手術的結石の摘出や腫瘍組織の生検等の他,T-tube cholangiogramで十分に表現できなかつた肝内胆管には,直視下選択的にteflon tubeを挿入,いわゆる直視下選択的胆管造影を行なうことができる.われわれは本法を,T-tube挿入例全例に行ない,臨床応用上安全かつ容易で患者に与える苦痛も少なく,繰り返し行ない得る本法は,診断,治療に直結するものでもあり極めて有用であるとの結論に達した.routine化されるべきものであろう.諸家の追試とご批判を仰ぐ第である.

クリニカル・カンファレンス

肝機能障害患者の手術適応をどうするか

著者: 水本龍二 ,   山本祐夫 ,   小林迪夫 ,   岡村純 ,   葛西洋一

ページ範囲:P.186 - P.199

《症例》
 患者 52歳,主婦.入院1967年5月8日
 家族歴 特記すべきものなし

講座

ハリ麻酔—①その歴史と作用の特長

著者: 許瑞光

ページ範囲:P.201 - P.205

はじめに
 ハリによる疾病の治療は約3000年前にさかのぼれるといわれており,ハリは中国では古来疾病の治療や"いたみ"に対する和痛の1つの方法として利用されてきた.そしてこの1つの集大成ともいえる.内経,素問,霊枢が成書として2,000年前に出版されており,今日なお治療指針として利用することができる.ハリ治療はかようにして中国で始まり,おくれて日本へ伝わり(少なくとも1,500年以上の伝統がある)西洋医学が流入するまで漢方と共に治療の主体となつていた.また遣唐使が帰朝のさいにもたらしたものの中に,ハリに関する本および医療器具としてのハリがあつたともいわれている.このように医療に応用されてきたハリは,今日でも西洋医学に見離された患者の治療に利用されている.そしてこの治療の対象になつたものの中には,慢性の不定愁訴をもつた疾患,例えば四十肩,五十肩,いわゆる鞭打ち損傷や頭部外傷後遺症,腰痛,その他原因不明の疾患があり,ある種の治療効果を挙げてきた.しかし理論的根拠に乏しく,またその治療の多くが針灸師によりなされていたために,科学的な理論にうらづけられたものより,むしろ経験的なものと考えられていた.しかしその治療効果については,患者および一部の医師は有効であると考えていたようである.
 最近になつて中国において,この古来よりのハリ治療が難聴や麻酔として利用されたとの報告がなされてきた.そしてこの成果について賛否両論がありそのいずれともいえなかった.

Spot 生体材料の展望・2

生体管状組織の人工物化の1つの試み(その2)

著者: 秋山太一郎

ページ範囲:P.206 - P.207

3.人工弁
 生体管状構造物の中で広く生体弁というものを見ていくと,部位的に,機構的2系統に分けられる.1つは,循環器系でみるごとく液の流圧によつて開閉作用をする弁機構と,他は神経支配による制御弁である.今のところ,この系のものは人工物化することは不可能であるが前者はとくに心臓弁の人工物化は重要であると同時に,この弁の機構は後者にくらべれば比較的単純であるため人工物化はかなり進んでいる.しかしまだ欠点は多い.それは,①持久性,②逆流阻止能,③抗血栓性などである.新しい人工弁のあり方として材質と構造について私案としてごく簡単にその骨子だけを述べる.材質の選択としては強く,抗血栓のもつとも少ないとされている多孔性ポリ4-ふつ化エチレン膜E-PTFEを組み合せる.構造的には,①三尖弁であるが,渦巻流により弁の閉鎖能を助長するために弁葉周囲にリムをつける.②図4aのように人工弁の骨格部ともいうべき部分は金属線リングに3個の弁葉を支えるボールジョイントがありきわめて軽く動く.③金属の露出部E-PTFEで完全に被覆されている(これは一部で実施されている).④渦巻流形成のためのロト状外壁をつける(高さ7mm以内).

臨床研究

肺生検よりみた開心術回路フィルターの効果

著者: 浅井康文 ,   安達博昭 ,   金子正光 ,   須田義雄 ,   小松作蔵 ,   和田寿郎 ,   室谷光三

ページ範囲:P.209 - P.215

はじめに
 最近の開心術の進歩にともない,多弁置換症例や複雑心奇形などに対して,長時間体外循環を使用する機会が増し,このような症例において灌流後症候群を経験することがあり,いろいろの原因があげられているが,その中の一つに血栓や塞栓があげられている.
 この対策の一つとして従来より目の細かい各種の微細フィルターが体外循環において使用されはじめている.

甲状腺機能亢進症における緊急手術

著者: 松土昭彦 ,   原田種一 ,   大向良和 ,   妹尾亘明 ,   山本康久 ,   中条信義

ページ範囲:P.217 - P.222

はじめに
 Thyroid crisisは,甲状腺機能亢進症に発症するきわめて重篤な疾患である.過去においては,甲状腺剔出術後に起こることが多かつたが,最近では,各種抗甲状腺剤の出現により,euthyroidの状態で手術を施行するようになり,術後crisisはほとんどみられなくなつた.しかしながら,いわゆるmedical crisisと呼ばれる未治療患者に発症したもの,あるいは,isotope治療や,抗甲状腺剤使用中に発症したもの,さらに機能亢進状態の患者で,甲状腺以外の臓器に外科的侵襲を加えて発生したcrisisなどは,まだあとをたたない.このような患者が,われわれ外科医にとつて問題になるのは,甲状腺以外の臓器に対する緊急手術の必要性が生じた場合である.このような場合は,crisisの発症を予測し,これに対する十分な予防処置を行なうことが重要である.
 最近われわれは,甲状腺機能亢進症の患者で緊急手術を必要とした症例を経験したが,幸いcrisisを発症させることがなく,術後順調に経過させることが出来たので,われわれのとつたcrisis防止の処置を報告し,あわせて本邦の最近10年間のthyroid crisis報告例を集計して検討した結果を基にして,若干の考案を加えた.

胆石症における胆道内圧測定法の意義と臨床応用

著者: 斉藤敏明 ,   山田良成 ,   山本邦彦 ,   滝沢秀浩 ,   新井健之 ,   東条慧 ,   堀米寛 ,   横山勲 ,   笛木和彦 ,   伊川広道 ,   川野幸志 ,   渡辺良友 ,   前原正明

ページ範囲:P.223 - P.227

はじめに
 胆石症における手術の問題点は多々あるが,特に肝内結石の処置,遺残結石の防止,総胆管切開の適応および胆道末端部狭窄の評価とその術式などが重要である.
 このため,術中胆道精査法として胆道造影および胆道内圧測定が行なわれるようになり,さらに胆道鏡が用いられ,これらの問題に対して大きな威力を発揮している.すなわち,これら多方面からの検査が異常病変を確実にとらえ,不必要な侵襲を避け,しかも十分な手術を行ないうるようになつてきた.

臨床報告

Subclavian Steal Syndromeの1治験例

著者: 工藤堯史 ,   鈴木宗平 ,   百川健 ,   斎藤重周 ,   関野英二

ページ範囲:P.229 - P.233

はじめに
 Subclavian Steal Syndromeは,鎖骨下動脈ないし腕頭動脈の一部に,椎骨動脈分岐部より中枢で狭窄または閉塞を生じた際,椎骨動脈に血液の逆流現象を生じ,そのため,上肢の乏血性症状とともに脳循環不全による脳神経症状をきたす症候群をいう,欧米にはすでに多数の報告例があるが,本邦ではまだ少ない。われわれは最近,動脈硬化症による同症の手術例を経験したのでここに報告し,文献的考察を加えてみたい.

左心房粘液腫の1治験例

著者: 松浦雄一郎 ,   山科秀機 ,   三島斉 ,   外尾明利 ,   滝沢伊津夫 ,   花木千尋 ,   門前徹夫 ,   宮西通博 ,   児玉和紀 ,   T. L.

ページ範囲:P.235 - P.241

はじめに
 心臓腫瘍は非常にまれな疾患で,ことに十数年前までは剖検時に確定診断が下される域をこえず,したがつて当時は根治的治療の対象となることはほとんどなかつたといわれている.近年の各種の循環器検査法,中でも心超音波診断法,心血管造影法等の精密検査法の確立により,心臓外科の発達とあいまつて心臓腫瘍は生前に的確に診断され,うまく剔出されるようになつた.
 最近,私どもも内科医の下で心超音波診断法により左心房腫瘍と診断された重篤なうつ血性心不全を示す61歳女性に遭遇し,心血管造影法によりその存在を確認し,体外循環下開心術により腫瘍剔出に成功したのでここに症例報告することとする.

大量下血をきたした小腸血管腫の1例

著者: 安田克樹 ,   河石浩 ,   原弘 ,   山根敏子

ページ範囲:P.243 - P.247

はじめに
 小腸の器質的疾患は比較的少なく,なかでも血管腫様病変はまれで,Raifordによれば全腸管腫瘍のわずか0.3%にすぎないという1).一方消化管からの出血も,その2/3が胃・十二指腸を中心とする上部消化管出血であり,Treitz靱帯以下のいわゆる下部消化管出血は1/7前後で,しかも小腸出血となると3.5%前後と非常に少ない2).われわれも小腸血管腫の破綻による大量下血症例の治療経験を得たので,ここに報告し若干の文献的考察を加える.

下行結腸非特異性潰瘍(多発性線状)の1例

著者: 番場敏行 ,   市川健寛

ページ範囲:P.249 - P.253

はじめに
 近年,大腸疾患に対する診断技術の進歩とともに,臨床上,大腸における潰瘍性病変に対する関心が漸次高まつてきているが,潰瘍性大腸炎あるいはクローン病のいずれにも相当しない,いわゆる非特異性大腸潰瘍が注目を集めてきており,本邦においても,その報告例が漸次増加してきた.
 最近,著者などは下行結腸下部に発生した,多発性線状非特異性結腸潰瘍の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

停留睾丸に合併した睾丸嵌頓症の1治験例

著者: 重本弘定 ,   佐藤泰雄 ,   大空健三 ,   小林大平 ,   氏平勝三 ,   前田直俊 ,   小野好彦

ページ範囲:P.255 - P.258

はじめに
 睾丸壊死のうち原因のはつきりしていない特発性睾丸梗塞症と原因のはつきりしているもののうち精索捻転症についてはかなりの報告例がある.しかし原因のはつきりしているもののうち睾丸嵌頓症についての報告は外国でも数例にすぎず,本邦での報告例は見当らない.われわれは,停留睾丸に合併した睾丸嵌頓症に遭遇したので報告し,あわせて文献的考察を行なつてみる.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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