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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻2号

1976年02月発行

文献概要

Spot 生体材料の展望・2

生体管状組織の人工物化の1つの試み(その2)

著者: 秋山太一郎1

所属機関: 1日本医用高分子材料研究所

ページ範囲:P.206 - P.207

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3.人工弁
 生体管状構造物の中で広く生体弁というものを見ていくと,部位的に,機構的2系統に分けられる.1つは,循環器系でみるごとく液の流圧によつて開閉作用をする弁機構と,他は神経支配による制御弁である.今のところ,この系のものは人工物化することは不可能であるが前者はとくに心臓弁の人工物化は重要であると同時に,この弁の機構は後者にくらべれば比較的単純であるため人工物化はかなり進んでいる.しかしまだ欠点は多い.それは,①持久性,②逆流阻止能,③抗血栓性などである.新しい人工弁のあり方として材質と構造について私案としてごく簡単にその骨子だけを述べる.材質の選択としては強く,抗血栓のもつとも少ないとされている多孔性ポリ4-ふつ化エチレン膜E-PTFEを組み合せる.構造的には,①三尖弁であるが,渦巻流により弁の閉鎖能を助長するために弁葉周囲にリムをつける.②図4aのように人工弁の骨格部ともいうべき部分は金属線リングに3個の弁葉を支えるボールジョイントがありきわめて軽く動く.③金属の露出部E-PTFEで完全に被覆されている(これは一部で実施されている).④渦巻流形成のためのロト状外壁をつける(高さ7mm以内).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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