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臨床報告
左心房粘液腫の1治験例
著者: 松浦雄一郎1 山科秀機1 三島斉2 外尾明利2 滝沢伊津夫2 花木千尋3 門前徹夫4 宮西通博5 児玉和紀6 T. L.6
所属機関: 1県立広島病院胸部外科 2県立広島病院放射線科 3県立広島病院麻酔科 4県立広島病院第1研究検査科 5広島大学医学部内科学第2講座 6放射線影響研究所
ページ範囲:P.235 - P.241
文献購入ページに移動心臓腫瘍は非常にまれな疾患で,ことに十数年前までは剖検時に確定診断が下される域をこえず,したがつて当時は根治的治療の対象となることはほとんどなかつたといわれている.近年の各種の循環器検査法,中でも心超音波診断法,心血管造影法等の精密検査法の確立により,心臓外科の発達とあいまつて心臓腫瘍は生前に的確に診断され,うまく剔出されるようになつた.
最近,私どもも内科医の下で心超音波診断法により左心房腫瘍と診断された重篤なうつ血性心不全を示す61歳女性に遭遇し,心血管造影法によりその存在を確認し,体外循環下開心術により腫瘍剔出に成功したのでここに症例報告することとする.
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