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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻5号

1976年05月発行

文献概要

特集 大量輸血 輸血に伴う生体反応

電解質変動等を中心として

著者: 藤田達士1

所属機関: 1群馬大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.589 - P.594

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I.ACD保存血は如何なる血液か?
 ショック時に外液が細胞内に移行する証明としてCunninghamら1)は筋肉と同様,赤血球内へのNa移行を認めた.Weltは2)尿毒症の場合に赤血球へのNa移行を認め,この原因として血漿中のMg++高値から赤血球内Mg++の低下によつてNa-K-Mg-ATPase I及びIIの活性が低下するためとしている.また,甲状腺機能亢進症でも赤血球内へのNa取込みが増すことが報告され3),赤血球膜のエネルギー平衡の乱れが原因と老えられている.
 著者もこれを追試し,正常人では赤血球内Na(以下RNaと略す)は恒常的で7.38±1.19mE/L,赤血球内K(以下RKと略す)は105.53±5.29mE/Lであつた4).ショック時にはRNaは著しく上昇し,40mE/Lを越えることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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