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文献詳細

雑誌文献

臨床外科31巻5号

1976年05月発行

文献概要

特集 大量輸血 輸血に伴う生体反応

血清肝炎;予防とその治療

著者: 菊地金男1 舘田朗1

所属機関: 1国立仙台病院外科

ページ範囲:P.601 - P.605

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はじめに
 輸血の副作用,特に輸血後4週ないし6ヵ月を経過してから発症するいわゆる血清肝炎が人口に膾炙されてから久しい.血清肝炎はvirus感染によるものと推測しながらも,確証のないままに予防対策が行なわれていたが,1965年Blumberg1)によりオーストラリア(以下Au)抗原が発見され,引続いてPrince2),大河内3)らによりAu抗原とSerum hepatitis antigenとが同一のものであることが報告されて以来,予防と治療法について漸く解決への途が拓かれた.その後も引続き,多くの研究者の不断の努力によりここ数年の問にDane粒子4),core抗原5)の発見が相次ぎ、次第に血清肝炎virusの本態が解決されて来たが.その予防,治療法についてはなお解明されないいくつかの間題が残されている.
 今日まで多くの人々が辿つて来た道を顧みながら血清肝炎の予防を治療法の現況について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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