文献詳細
文献概要
特集 早期大腸癌の外科
早期大腸癌の定義について
著者: 太田邦夫1
所属機関: 1東京都老人総合研究所
ページ範囲:P.713 - P.715
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特殊な例外を除いて一般に,上皮性腫瘍は既存の成熟上皮の位置から発生し,一方では上皮の表面に沿つて水平的に拡大し,他方ではそれと垂直方向に上皮下間葉層に侵入増殖すると考えられる.前者は上皮内癌(carcinoma in situ)と呼ばれ,後者は初期浸潤癌と名づけられる.
上皮は管腔に面し,その正常の表面被覆機能はその場に最も適応したものと仮定することが許されるならば,その位置を占める癌腫性の上皮の被覆機能は正常より劣る可能性が大であり,自発的な剥落の他,その場の外力に耐えないで分離しさる機会も多いはずである.これに概当する組織所見としての癌性糜爛,小潰瘍はしばしば見出されている.
特殊な例外を除いて一般に,上皮性腫瘍は既存の成熟上皮の位置から発生し,一方では上皮の表面に沿つて水平的に拡大し,他方ではそれと垂直方向に上皮下間葉層に侵入増殖すると考えられる.前者は上皮内癌(carcinoma in situ)と呼ばれ,後者は初期浸潤癌と名づけられる.
上皮は管腔に面し,その正常の表面被覆機能はその場に最も適応したものと仮定することが許されるならば,その位置を占める癌腫性の上皮の被覆機能は正常より劣る可能性が大であり,自発的な剥落の他,その場の外力に耐えないで分離しさる機会も多いはずである.これに概当する組織所見としての癌性糜爛,小潰瘍はしばしば見出されている.
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