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臨床報告
腺癌のリンパ節転移と病理組織学的鑑別を要した鼠径部(Nuck管)子宮内膜症の1例
著者: 長嶺慎一1 中武稔1 寺井武寿1 横谷邦彦1 竹本正幸1 山内陽一1 宮本海雄2 高木道夫2 堀江克行2 桂栄孝3
所属機関: 1国立姫路病院外科 2国立姫路病院産婦人科 3国立姫路病院病理
ページ範囲:P.1087 - P.1092
文献購入ページに移動切除した腫瘤を病理組織学的に検索して,リンパ組織の中に腺腔を形成する腺上皮を見出した場合は,腺癌のリンパ節転移を疑つて原発巣を探索するのが通常である.
われわれは最近成人女子の左鼠径部腫瘤を切除し調べたところ,上記の様な所見を認めたので,消化管および婦人科検査を行なつたが,原発癌巣を発見しえず,最終的に,Nuck管に発生した鼠径部子宮内膜症が,2次的にリンパ組織ヘリンパ行性播種を起こしたものと判明した症例を経験したので若干の考察を加えて報告する.
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