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カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・27
消化管カルチノイド—(その2)症例集
著者: 曾我淳1
所属機関: 1新潟大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.1210 - P.1211
文献購入ページに移動 総論において解説したカルチノイドの肉眼的病理形態とその特性に関する知識を基にして,ここではとくに症例を選んで供覧したい.
症例1 比較的特異的形態の胃カルチノイド(図①,②,③).極めて古典的・定型的な形態でいわゆる粘膜下腫瘍の所見である.患者は36歳男性,主訴は上腹部痛と食欲不振であつた.腫瘤の大部分は粘膜下に位置するが,ほぼ全体がポリープ状に隆起して,ほとんどが正常の粘膜て被覆されている(図①,③).しかし図②にみるように,典型的な中心臍状陥凹と放射状の架橋皺壁像がみられる.この症状は"boringbiopsy"により粘膜下部の腫瘍組織を生検し,術前に銀好性B型カルチノイドの診断を得ることができた.術後検索で中心臍状陥凹部に一致して粘膜の下部に小さな原発部を確認しており電顕的には球状内分泌顆粒を証明した.
症例1 比較的特異的形態の胃カルチノイド(図①,②,③).極めて古典的・定型的な形態でいわゆる粘膜下腫瘍の所見である.患者は36歳男性,主訴は上腹部痛と食欲不振であつた.腫瘤の大部分は粘膜下に位置するが,ほぼ全体がポリープ状に隆起して,ほとんどが正常の粘膜て被覆されている(図①,③).しかし図②にみるように,典型的な中心臍状陥凹と放射状の架橋皺壁像がみられる.この症状は"boringbiopsy"により粘膜下部の腫瘍組織を生検し,術前に銀好性B型カルチノイドの診断を得ることができた.術後検索で中心臍状陥凹部に一致して粘膜の下部に小さな原発部を確認しており電顕的には球状内分泌顆粒を証明した.
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