臨床外科32巻11号

1977年11月発行

特集 Biopsyの再検討

体表に触知する腫瘤の生検

著者： 赤井貞彦¹ 佐野宗明¹

所属機関： ¹新潟県立ガンセンター新潟病院外科

ページ範囲：P.1377 - P.1382

文献概要

はじめに
　生検による組織学的検査はその疾患の診断と治療を左右する重要な情報を提供する．殊に悪性腫瘍の診断には決定的役割を果す．何故ならば良性悪性の最終判断は現在光顕レベルの組織学的所見にのみ依存しているからである．ところが生検はややもすれば簡単な小手術として軽く扱われ，つい初心者の手にまかせられてしまうことがある．外科医が日常遭遇する生検にも実は多くの問題点が未解決のままに残されている．その2,3をとりあげて検討したい．