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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻11号

1977年11月発行

特集 Biopsyの再検討

術中迅速標本と手術—甲状腺

著者: 丸山雄造1 宮川信2 牧内正夫2 降旗力男2

所属機関: 1信州大学医学部中央検査部病理 2信州大学医学部中央検査部第2外科

ページ範囲:P.1383 - P.1388

文献概要

はじめに
 甲状腺腫瘤は体表から触れ易く,触診だけで診断されることも少なくないが,また良性腺腫や慢性甲状腺炎や癌などの鑑別は困難な場合がある.信大第2外科での集計で,組織学的に甲状腺癌と診断された411例の術前診断を検討すると,診断的中率は68.6%1)で,残る31.4%は単純性結節性甲状腺腫や慢性甲状腺炎と診断されている.また,術中の肉眼所見を基とした手術診断でその的中率は82.1%2)と向上しているが,なお17.9%は癌が見落されている.これらの成績は甲状腺癌の術前診断の限界を物語るものと考えられる.しかし,正診率の向上をはかり,完全な治癒手術を行なうためには,術前生検より術中の迅速検査を行なうことが必要である.本稿ではこれまで行なった術中迅速診断の成績を検討し,その問題点を外科,病理の立場から論じてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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