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特集 外科と薬剤
抗生物質—抗生物質の選び方
著者: 由良二郎1 石川周1 高岡哲郎1 土井孝司1 恵美奈実1 鈴木芳太郎1 鈴木一也1 品川長夫1 柴田清人1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1外科
ページ範囲:P.297 - P.301
文献購入ページに移動外科領域における感染症特に術後感染の変貌には著しいものがある.その起炎菌をみると,弱毒のグラム陰性桿菌であるPseudomonas,Klebsi—ellaをはじめとし,ごく最近ではSerratiaもその分離頻度が増加してきており,それらがさらには多く抗生剤に耐性であることと相俟つて大きな問題となつてきている.この原因の一つとして新しい抗生剤の使用による耐性菌の出現が考えられるが,近年の総合的な医学の進歩により外科手術の対象範囲が拡大され,感染に対する防御能力の低下せる宿主にも手術が施行される場合が多くなつてきたことが最大の原因と考えられる.近年問題となる術後感染をみると,宿主側の因子を検討しないで感染症の治療について論ずることは不可能となつてきている.
外科領域では特に手術との関連において化学療法がなされる場合が多いが,ここでは外科領域における抗生剤投与について基礎的な考え方を中心にして.手術との関連において宿主側の因子の一つとして血清補体価をもとり上げ,われわれの見解を述べてみたい.
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