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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻3号

1977年03月発行

文献概要

特集 外科と薬剤

ステロイド—ショック時を中心に

著者: 岡田和夫1

所属機関: 1帝京大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.345 - P.353

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はじめに
 薬効の判定が客観的パラメーターに基づいて比較的容易に行なえる薬剤と必ずしも容易でない薬剤とがある.外科領域でのステロイドの使用はショック治療が中心になるが,移植における免疫反応抑制(immune suppression)や脳外傷などでの脳浮腫対策での効果ほどこのステロイドのショック時の効果の判定は明確に行なえない.
 ショック時にステロイドをどういう効果を期待して投与しているかでいろいろの意見があるが,これは動物実験での成績と臨床成績との間にギャップがあつたのも一因であろう.しかしステロイドを臨床で使用し治療成績が向上したと感じる人が臨床の第一線で増えて来ているのも事実である.これが動物実験のショック・モデルについてのステロイドの作用機序の研究を促進させる誘因にもなり,ひいてはショックの病態生理の研究を循環面から代謝面,免疫面など広い分野に押し拡げた鍵にもなつたと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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